お店の紅茶を選ぶのに、ブレンド物を選んだ方がいいでしょうか?
それとも茶園物を選んだ方が良いでしょうか?
そもそも、ブレンド物と茶園物にどのような違いが有るのでしょうか?
とりあえずお店のラインナップには、ブレンドされた紅茶をベースとし、必要に応じて茶園物をラインナップするのがお勧めです。
もともと、紅茶の生産は茶園で製茶までされ、出荷されます。
その時点では、すべての紅茶が「茶園物」です。
それが何故、ブレンドされるのでしょうか?
基本的に、紅茶は農産物です。
ですから、年によって、その年の気象条件によってその品質は大きく変わります。
インド等、式のある国では、季節によって次第にその味と香りが変化していきます。
一方、赤道に近く、常夏の国のスリランカのように四季の無い国では雨期か乾期かによって紅茶の品質は大きく変わります。
業務用の紅茶として考えた場合、品質の安定は必須ともいえる条件となってきます。
仕入れた時期によって紅茶の味が変わるのは無用の誤解を受ける原因となります。
ブレンドの紅茶は、そのために存在しています。
様々な紅茶をブレンドする事により、一定の品質を保つことが出来るからです。
そして更に、若干欠点の有る安い紅茶をベースに、その欠点を補うブレンドをする事により、品質を上げることも出来るのがブレンド技術です。
ですから、業務用の紅茶としては、ブレンドされた紅茶は必須であり、最適な紅茶なのです。
ではなぜ、茶園物も扱うのか?
それは拘りを見せる為。
茶園で生産された紅茶の多くは、どこかに若干の欠点が有ります。
基本的にそれをブレンドで補う訳ですが、その欠点の殆ど無い素晴らしい紅茶も出来るのですね。
そしてそれは、少量の為、非常な高価な価格で取引されます。
そういったイメージも有るため、紅茶へのこだわりとしては茶園物が欠かせない事になります。
更に、ブレンド物は品質を向上させますが、いつの時期でも安定した味わいを提供するためには、いつでも出来る味にしなければなりません。
その為に、最高の味わいより少し下がったところの味までしか作る事が出来ません。
茶園物(最近は、シングルオリジン とも表現されます)は、そのブレンドでは出せないレベルの紅茶も出荷されてきます。
それは当然ですが、非常に高価な紅茶となりますので、大量仕入れは控え、小売りの商品でも構いませんので、少量の仕入れにしておくのがお勧めです。
もう一つ覚えておいて欲しいのは、「茶園は一期一会。」一品物だと思いましょう。
紅茶は基本的に農産物で、気象条件の影響を受けやすく、なおかつ、萎調・揉捻・発酵・乾燥などの加工食品ですので、製茶条件によってその味は大きく変わります。
ですから、似たような紅茶は仕入れる事が出来ても、同じ味、同じ香りの紅茶は仕入れる事が出来ません。
その時々の味・香りを楽しみのが茶園物の、シングルオリジンの紅茶の楽しみ方です。